原作小説や映画では語られていない、4人の登場人物の細かな心情描写が描かれている「君の名は。Another Side」
全四話から構成されており、瀧・勅使河原・四葉：俊樹に関する内容となっています。
既に原作小説・映画の内容を知っている方は、ぜひ必読です！
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君の名は。原作小説のあら・ネタバレはこちらから
君の名は。[Another Side]の目次
- 第一話：ブラジャーに関する一考察
- 第二話：スクラップ・アンド・ビルド
- 第三話：アースバウンド
- 第四話：あなたが結んだもの
君の名は。[Another Side]のあらすじ
東京に暮らす男子高校生・瀧は、夢を見ることをきっかけに田舎町の女子高生・三葉と入れ替わるようになる。
慣れない女子の身体、未知の田舎暮らしに戸惑いつつ、徐々に馴染んでいく瀧。
身体の持ち主である三葉のことをもっと知りたいと瀧が思い始めたころ、普段と違う三葉を疑問に思った周りの人たちも彼女のことを考え出して――。新海誠監督長編アニメーション『君の名は。』の世界を掘り下げる、スニーカー文庫だけの特別編。
君の名は。[Another Side]各話のネタバレ
第一話：ブラジャーに関する一考察
- 瀧に関する内容
- 瀧＝変態ということがよく分かる（笑）
- お互いに入れ替わりに気付いている時期
- ルールが決められていることから伺える
- 瀧は悪口やイジメを見過ごせない性格のよう
- 三葉は対照的な性格で、大人しく・言いたいことを言えない
- 「宮水神社の儀式」「口噛み酒」のやり取りから伺える
- 掃除の時間にマイケル・ジャクソンのダンスを踊る
- イタリアンレストランでバイトをしていることもあり、料理は上手
- 体育の授業（バスケ）の時、下着をつけておらず、男子生徒の注目の的に
原作小説や映画でも描かれていますが、瀧が三葉の身体に入れ替わってからは「いい意味で隙がある女の子」になりました。
特に印象的なシーンが「マイケル・ジャクソン」のくだりです。
瀧は中学時代バスケ部に所属していて、そこそこの実力者でした。そして、バスケ部内で誰が一番上手にコピーできるか？という遊びが流行。
そのおかげもあって、瀧はマイケル・ジャクソンのダンスがそこそこ踊れるんですね。
で、掃除中に踊っていたら・・・女の子3人組に見られていたという（笑）
あと、話のタイトルにもなっているように「ブラジャー」に関する考察が細かく描かれています。
下着をつけずに体育に出るなんて・・・瀧、ある意味スゴイ。
この一件以降、瀧は三葉が持っているブラジャー（ブラジャーそのものにも）に興味を持ち始めます。
第二話：スクラップ・アンド・ビルド
- 勅使河原に関する内容
- 父親と三葉の父親（俊樹）の癒着をヒドく嫌っている
- 東京に憧れている三葉とは対照的に、自分がこの町を変えてやるという志がある
- というより、絶対に出ていけないから変えるしかない
- 勅使河原建設は町の建物のほとんどを手がけている業者
- オカルト好きな様子が伺える（ムー。の愛読者である）
- 三葉（瀧）とサヤちんとのDIYをキッカケに、三葉のことを”信頼できる”と思うように
Another Sideだからこそ分かるテッシーの心情。
三葉とは小学校より前からの幼馴染で、一時期は恋愛感情を抱いていた時もあります。
が・・・どうしても完全に心を開くことはできませんでした。（サヤちんに対しても）
というのも、テッシーは男で三葉は女だから。
ですが、DIYでオープンカフェの道具を作っている時、テッシーの心情に変化が。
土地の言葉でカタワレ時と呼ばれる光線の闇のあわいで、＜言ってもどうせ通じない＞＜聞いてもどうせわからんだろう＞という、勅使河原の中の断絶のようなものが埋まって消えた。
この時の三葉が瀧だったからこそ、こういう心情になったのでしょうね。また、テッシーがどれだけ糸守町を想っているかも語られています。
俺だってこんな町出てってやると思っとるけど、できないんだ。責任とか恩義がある。
それに、こんな町大嫌いやけども、好きな部分もある。
ばーっと出て行けば気分がいいんやろうけど、ここにとどまって踏ん張っていこうっていう気持ちもある。
こんな町、なんて言わんくていいような町に自分がしていくんやとか、そういうことを想っているわけなんやさ
第三話：アースバウンド
- 四葉に関する内容
- 三葉とは対照的な性格で、極めて寝起きがいい
- 三葉の異変を祖母やサヤちんに相談していた
- 四葉は父親（俊樹）に嫌悪感を抱いていない
- 三葉のことを本当に信頼している
- 奉納祭の後、ひっそりと内緒で口噛み酒を飲んだ
- が、この時は特に何も起こらなかった。ただただ不味かった
- 後日、祖母から舞の指導を受けている時に意識が飛ぶ
- 気が付くと、自分ではな他の誰か（巫女）に乗り移っていた
- 瀧と同じように巫女の胸を揉んだ（揉んでしまった）
- 「そなた、夢を見ておるのか？」と気づかれる
- 目を覚ました時には乗り移った時の記憶を全て忘れていた
驚いたことに、四葉も入れ替わり（乗り移り）を体験していたんですね！（その時の記憶は忘れ去っていますが・・・）
また、乗り移った時の印象的なシーンとして「その巫女の胸を揉む」シーンがあります。
三葉（瀧）が自分の胸を揉んでいる様子を見たせいもあるのか、四葉も胸に対してかなりの（？）興味を持っているようで（笑）
・・・真面目なシーンだと、こんな描写が書かれています。
宮水は、シリトリの神の末裔。ムスビに祈るもの。
時間の綾をたぐって、来し方と行末を心寄り添わすもの。そなたの背なには、時の流れの中にある。
全ての宮水の女が寄り添うておると知るがよい。
ここから、宮水家とはどのような一族なのか？が伺えますね。
第四話：あなたが結んだもの
- 三葉の父「俊樹：としき」に関する内容
- 「お前は誰だ？」と三葉（瀧）に尋ねた時、三葉の偽物が自分に会いに来たーと思っていた。
- 俊樹は元民俗学者で、怪奇現象の専門家ともいえる
- 三葉（瀧）が役場を出た後、俊樹はしばらく追憶に引きずり込まれた
- 約20年前、”溝口）俊樹は宮水神社を訪れていた（研究の一環として）
- ここで、三葉の母親にあたる「二葉」と出会った
- 二葉は俊樹と初めて会った時に結婚する気がしていた
- そして、俊樹は研究者を辞め婿養子になった
- 二葉の死因は「免疫細胞が暴走する病気」とのこと
- 頭痛・めまい・虚脱などの症状を最初は訴え、その時点でかなり進行していた
- が、二葉は入院検査を頑なに拒んだ
- 二葉の死後、一葉をはじめとする糸守の住民はすぐに悲嘆から回復した
- 俊樹はこの状況に軽く混乱し「誰かに何かの代償を支払わせたい」という怒りが芽生えた
- そこ矛先が【宮水神社と、ここを中心とする統合力の渦】
- そして、町の構造を変えるべく町政の世界に飛び込んだ
- 追憶から引き戻された俊樹。すると三葉（本物）がやってきた
第四話は原作小説・映画にも大きく関係している内容です。
俊樹と二葉の出会い、二葉の死因、なぜ町長になったのか？などが描かれています。
特にラストの描写は必読。
宮水俊樹の中で、六年閉ざし続けて開け方のわからなくなった錠が開いた・
その鍵を持ってきた者はー。とてもなつかしい顔をしていた。
君の名は。[Another Side]の感想・レビュー
本編では省略されていた避難の部分等が描かれており、色々と補完してくれる一冊。本編読んだら絶対に読まないといけないです。この部分を映画でやると間延びしちゃうから、あえてやらなかったのじゃなぁ？
原作の内容を補完する話と別キャラクター視点から見た話と。原作や映画で特に触れられなかったけれど、結構大事なのではというような内容がそれぞれのキャラクター視点で語られていて結構面白かった。妹と父親の話は世界観が深まった気分。
『君の名は。』本編を補完する形の短編4作。描かれていなかった隙間を埋めることで、本編の理解がより深まり、魅力的に感じました。特に3作目、4作目は作品世界の核心を説明する作品なので、、本編で大満足しちゃった人も、記憶が薄れないうちに、ぜひどうぞ。オススメです。
映画見た人は絶対これ読んだ方がいい。お父さんがちょっと身近になる。
君の名はのサイドストーリー。 こちらもサラサラーっと読める。 君の名は。の映画を観て良かったーと思った人が後から読むといいんじゃないかな？ テッシーや四葉やお父さんやお母さん等々三葉への想いが伝わってきて暖かい気持ちになれる内容。 サイドストーリーだけどこれこそが君の名は。の軸である「結び」が理解できるストーリー。
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